AGA治療薬の中でも、特に発毛効果が高いとされるミノキシジル。内服薬(ミノタブ)であれ外用薬(リアップなど)であれ、この薬を使い始めると高確率で初期脱毛に遭遇します。ミノキシジルは血管を拡張させ、毛乳頭への血流を増やすことで髪に栄養を送り込むだけでなく、毛母細胞のアデノシンという物質の分泌を促し、発毛指令を出させます。これにより、眠っていた毛根が叩き起こされるような状態になります。通常のヘアサイクルであれば、古い髪が抜け落ちてから数ヶ月の休止期間を経て新しい髪が生えてきますが、ミノキシジルによる強制的なリセットでは、このプロセスが短縮され、古い髪がまだ残っているうちに新しい髪が下から急速に成長してきます。その結果、玉突き事故のように古い髪が押し出されて抜けていくのです。 この現象は、頭皮全体で起こることもあれば、前頭部や頭頂部など薄毛が進行している部分で顕著に現れることもあります。特に薄毛が気になっていた部分ほど、弱々しい毛が多く残っていたため、初期脱毛の影響を受けやすく、一時的にハゲが広がったように見えることがあります。しかし、ここで抜けていく髪は、どうせ長くは育たなかった「死に体」の髪です。これらにしがみついていても、見た目の改善は見込めません。ミノキシジルによって始まる生え替わりは、弱くて細い髪から、太くて強い髪への世代交代です。この交代劇が完了すれば、頭皮を覆う髪の質は劇的に変わります。スカスカだった頭頂部が埋まり、産毛しかなかった生え際にしっかりとした髪が根付くようになります。初期脱毛は、その劇的なビフォーアフターを実現するための、避けては通れない通過儀礼なのです。これからミノキシジルを使い始める方は、あらかじめこの生え替わり現象を理解し、心の準備をしておくことで、無用なパニックを避けることができるでしょう。
ミノキシジル使用で始まる生え替わり