対症療法としての限界AGA治療の根本的デメリット

投稿日2024年12月2日 投稿先 薄毛

現在主流となっているAGA治療、すなわちフィナステリドやデュタステリドの内服、ミノキシジルの外用などは、薄毛の進行を抑えたり、発毛を促したりする上で一定の効果が認められています。しかし、これらの治療法が持つ根本的なデメリットとして、「対症療法である」という点が挙げられます。つまり、AGAを引き起こす根本的な原因、例えば遺伝的な要因や男性ホルモンへの感受性そのものを変える治療ではないということです。治療薬は、あくまでAGAの症状が現れるプロセスの一部(DHTの生成や毛包への作用)に介入し、症状をコントロールしているに過ぎません。風邪をひいた時に、解熱剤で熱を下げたり、咳止めで咳を抑えたりするのと同じように、症状を和らげるための治療であり、風邪の原因であるウイルスそのものを完全に消滅させるわけではないのと似ています。この「対症療法である」という事実は、いくつかの具体的なデメリットにつながります。最も大きいのは、前述の通り「治療を継続しなければ効果が維持できない」という点です。薬の効果が切れると、体は再びAGAが進行しやすい状態に戻るため、効果を持続させるためには基本的に薬を使い続ける必要があります。これは、長期的な費用負担や精神的な負担を生む原因となります。また、対症療法であるがゆえに、「完治」というゴールが存在しないことも、デメリットと感じる人がいるかもしれません。常に「いつまで続けなければならないのか」という疑問や、「根本的に解決しないのか」というもどかしさを抱えながら治療と向き合うことになります。さらに、薬の効果には限界があることも意味します。毛包が完全に機能を失ってしまった状態(毛穴が閉じてしまっているような状態)では、いくら薬を使ってもそこから新しい髪の毛を生やすことは極めて困難です。薬はあくまで、まだ機能が残っている毛包に対して働きかけるものだからです。将来的に、iPS細胞を用いた毛包再生医療など、AGAの根本原因にアプローチする治療法が登場する可能性はありますが、現時点ではまだ研究段階です。現在のAGA治療は、あくまで症状を管理し、進行を食い止め、現状を改善するための対症療法であるという限界を理解しておくことが、治療と向き合う上で重要となります。