「タンパク質摂りすぎるとハゲる」は本当か?噂の真相
インターネットや巷の噂で、「タンパク質を摂りすぎるとハゲる」「プロテインの飲み過ぎは薄毛の原因になる」といった情報を耳にしたことがあるかもしれません。髪の主成分がタンパク質であるにも関わらず、なぜこのような正反対とも言える噂が存在するのでしょうか。この噂の真相を探る上で、まず理解しておくべきは、タンパク質の過剰摂取が直接的な原因となって脱毛症(特にAGAなど)を引き起こしたり、悪化させたりするという医学的・科学的な根拠は、現時点では確立されていないということです。AGA(男性型脱毛症)の主な原因は、遺伝的要因と男性ホルモン(DHT)の影響であり、タンパク質の摂取量とは直接的な因果関係はありません。では、なぜこのような噂が生まれたのでしょうか。いくつかの可能性が考えられます。一つは、高タンパク質な食事に伴う「間接的な影響」への誤解です。前述の通り、タンパク質を過剰に摂取しようとすると、動物性食品中心の食事になりやすく、結果的に高カロリー・高脂質な食事になることがあります。脂質の過剰摂取は、皮脂の分泌を増やし、毛穴を詰まらせるなど頭皮環境を悪化させる可能性があります。また、肥満も血行不良などを招き、髪の成長に悪影響を与える可能性があります。こうした間接的な影響が、「タンパク質の摂りすぎ=薄毛」という短絡的なイメージに繋がってしまったのかもしれません。もう一つ考えられるのは、特に「プロテイン」に関する誤解です。一部のプロテイン製品には、筋肉増強効果を高める目的で、意図的あるいは非意図的に、男性ホルモンに影響を与える成分(例えば、アナボリックステロイドなど)が混入している可能性がゼロではありません(特に海外の規制が緩い製品など)。もしそのような製品を摂取した場合、ホルモンバランスが崩れ、結果的に脱毛を引き起こす可能性はあります。しかし、これは「タンパク質そのもの」が原因ではなく、混入した「他の成分」が原因です。通常の、品質管理されたプロテイン製品であれば、このような心配は基本的にありません。結論として、「タンパク質を摂りすぎるとハゲる」という噂は、科学的根拠に乏しい俗説である可能性が高いと言えます。ただし、過剰摂取による間接的な健康リスクは存在するため、やはり適量を守ることが重要です。